2〜3歳のお子さんがいるみなさん。
あなたのお子さん、アンパンマンが好きですよね?
嫌いな子供の方が少ないと思います。
幼児向けのキャラクター市場を長年にわたって独占している大型キャラクター。
子供は輪郭が丸くて線対称なモノを好むからだという、いかにも納得しそうな説を昔聞いたことがありますが、真実はそんな難しい話じゃないと思います。
見たことありません?
お子さんを連れて行く小児科の診察室とか、待合室とかの壁に手作りのアンパンマンのイラストが飾っているのを。
それに、保育園ではテレビを見せる時間があると、よくアンパンマンを見せています。
ダンスの時間にもアンパンマンの曲に合わせて踊ったりしています。
(Eテレの「いないいないばぁっ!」もよく保育園は使っています。)
保育園の遊戯室の壁にも手作りのアンパンマンのイラストが飾ってあります。
自治体の児童館の遊戯室にさえ、アンパンマンの手作りイラストが飾ってあります。
ああいうものを、生まれた時からずーっと子供達は見ているんです。
そりゃあ、アンパンマン好きにもなりますよ。
だって、幼児を取り巻く環境がこぞってアンパンマンを宣伝しているんですから。
この社会的宣伝活動は、別にアンパンマンの版権会社が依頼しているわけでもなんでもないんです。
それぞれの人間が好んで宣伝をしているんです。
いつから、こういう状況になったのか分かりませんが、子供は産まれた時からアンパンマンが好きなのではなく、産まれた直後からアンパンマンを好きになるように環境設定がされているんです。
親が子供に与えるキャラクターを選ばないと、子供は自動的にアンパンマンを好きになってしまいます。
そうなるような社会になっていますから。
でも、それでいいんでしょうか?
アンパンマン世界では、天才科学者のバイキンマンは何でも作れます。
大型人型ロボットもUFOも、さらに人造人間ですら作れてしまいます。
そんな天才科学者が悪者です。
いつも悪さばかりやっているので、アンパンマンにやられてばかりですが、よーく冷静に見てみると、アンパンマンもいつもバイキンマンに対して、暴力で問題を解決させています。
バイキンマンを殴ったり蹴ったり放り投げたりしています。
なぜ、彼は解決手段に話し合いの場を設けたり、バイキンマンの性格を直そうとしたりしないのでしょうか?
いつも殴ったり蹴ったりして終わりです。
そして、顔が塗れたり汚れると急に弱くなるという致命的な欠陥を抱えています。
そのたびにジャムおじさんに頼りきりです。
ジャムおじさんがいなくなったらどうする気でしょうか?
自分でスペアの顔を持ち歩くとか、水に潜る時に使っているヘルメットを常に被るとか、顔を耐水性の素材に変えるなどしたらいいのに。
そこまで言うと言い過ぎかもですが、「とにかく解決の手段は暴力」、「天才科学者が悪者」という設定はもう時代遅れな気もします。
短期的なうちの子供への影響としては、「とにかく暴力的」になってしまったので、もうアンパンマンは見せないことにしました。
何気なく、子供にキャラクターを与える前に、それがどのような影響を子供に与えるのか、考えようと思います。
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