子供が産まれた時に学資保険に入った人が多いと思います。
僕もそうでした。
それ、すぐに解約した方がいいです。
学資保険は情報弱者向けのビジネスです。
あなたの子供の教育のこと真剣に考えた商品ではありません。
保険会社が自分たちが儲けるために売っている商品です。
保険と教育費積立は別に考えるべきなんです。
まず、そもそも学資保険の金額では、金額が少なすぎて大学を卒業できない。
支給金額は合計200万~300万円くらいだと思いますが、理科系大学に4年間通うとすると下宿の場合約700~800万円かかります。(自宅通学でも約500~600万円かかります)
これに予期せぬ出費(留学したいとか、留年したとか)がプラスされます。
次に、学資保険はたいして金額が増えない。
最大でも元本の120%程度です。
そして途中で解約すると、払った金額の一部しか返ってきません。
これなら、「教育費の積立にはつみたてNISAがおすすめ」で紹介したように、積立NISAを使って投資信託で運用した方がよっぽどお金が増えます。
毎年40万円(毎月33,333円)を17年間運用し続けた場合、このようになります。
そして、本当に必要な保険は限られている。
なんとなく入っている保険ってありませんか?
保険会社や保険市場のような会社の人から「勧められたから」という理由だけで入っている保険がありませんか?
保険市場や保険コンシェルジュのような会社は、中立な立場ですと言いつつ、保険を売ることが仕事です。
なので、教育費を投資信託で運用するなどの「保険以外の資産運用」を組み合わせたプランは立ててくれません。
以前、プランナーの方に投資信託で教育費は増やしていこうと思っていると話したら、「ドル建ての学資保険」を勧められました。
ドルだけでは投資バランスが崩れるのでやめましたが、こういった「保険」のみを使った資産運用提案しかできないのが、保険市場や保険コンシェルジュなんです。
あなたの資産運用を真剣に考えて、自分たちが扱っている「保険のみ」で提案しているんです。
投資信託を使えばもっと効率的に無駄なく資産運用や保険の選び方ができるにも関わらず、彼らは「保険しか」扱えないため、「保険のみ」の提案をするのです。
自分にとってどういう資産運用が適切かを、世の中にある様々な金融商品や保険商品を組み合わせて考え、自分のリスク許容度も考えながら自分にあった商品を選ぶべきだと思うんです。
話は戻りますが、本当に必要な保険は限られていると僕は思います。
国民保険や遺族年金などの公的なサポートについてきちんと調べればそれが分かります。
遺族年金は例えば、旦那さんが亡くなって奥さんと子供二人になった場合、毎月の給料(額面)が35万円くらいだった人は、毎月約15万円が国民年金の支給がスタートされるまでずっと支給されます。
そして、よく保険の説明に出てくる「障害者になった場合の保険」ですが、障害年金というものがありまして、月の給料が30万円くらいの人は、障害1級(高度障害)になったら年間約184万円ももらえます。
そこにさらに、配偶者にも年間22.7万円が支給され、さらに18歳未満の子供がいる場合は子供一人につき年間22.7万円が支給されます。
子供が二人いれば、合計で年間約252万円が国から支給されるのです。
障害2級(就業不能・自宅療養)の場合は年間148万円支給に、配偶者と子供が年間22.7万円支給です。子供が二人いれば合計で約216万円支給です。
障害3級(就業可)の場合は年間68万円支給。配偶者と子供の支給は3級はありません。
自分が死んだ場合に月に15万円の遺族年金がもらえるなら、毎月の支出から15万円を引いた足りない金額を保険でまかなえばいいんです。
そして、子供が大きくなるにつれて必要なお金も少なくなっていきますよね?
子供が経済的に自立したら、もうお金はほぼかからないですから、自分が死んだ後のお金の心配はそんなにしなくていいはずです。
(自宅を購入した方は、自分が死んだら住宅ローンがなくなる保険に入っていますし)
今は、奥さんがずっと専業主婦の時代でもないですから、子供が巣立ったあとに旦那さんが亡くなっても、生活費のために働くことは可能なはずです。
それに、そのために若い内から奥さんもキャリアを捨てずに積み立てていくべきです。
※ニュースにもなりましたが、人生100年時代を見据えて、「大人の学び直し」が注目されています。本格的な着手はこれからでしょうが、複数のキャリアパスを作るように今の内に動いておいた方がいいです。
あとは病気になった時の保険ですね。
1ヶ月の医療費総額が100万円かかっても、自己負担は9万円程度で済むんです。
これが国の高額療養費制度です。
9万円で済むのに、毎月数万円も保険を払うなんでバカらしくないですか?
でも、ガンになったらどうしよう?という不安もあると思います。
有名人がガンになって亡くなったとか、治療が長引いてお金がかかって。。。
といったニュースも多いですい、ガン保険のCMもよくテレビに流れていますしね。
でも、実際ガンになったらいくら必要か、きちんと計算してから保険に入っていますか?
自分で納得できるまで調べた方がいいです。
ガンの場合でも高額療養費制度が使えるので、月に100万円の治療費がかかっても自己負担は9万円程度で済みます。
ここに紹介されているように治療費貯金として150万円を貯金できていれば、ガン保険は要らないと思っています。
ですが、未承認の抗がん剤を使いたい場合や、免疫療法を使いたい場合など国民保険でカバーしていない治療もあります。そういった高額な治療を望む場合はお金がかかります。
手術、化学療法、放射線治療などの一般的な治療においては、すべて健康保険の対象になりますので、自己負担は最大でも月に9万円程度です。
そう考えると、自分が死んだ場合は遺族年金が入る、ガンになっても高額治療を望まずに普通の手術や治療なら貯金を150万円してあれば大丈夫ということになります。
そして、子供が経済的に自立すればお金はかからないなら、子供が生まれてから自立するまでの20数年間のみの保険があればいいとなります。
その際の必要金額は、子供が小さくまだ教育費の貯金ができていないなら、2,000~3,000万円程度の死亡保険が降りる死亡保険があればいいと思います。
それもだんだんと保証金額が減っていく掛け捨てタイプです。これなら毎月数千円の負担で済みません。
逓減(ていげん)型保険と言われています。
子供が大きくなるにつれて、必要な保証金額も減っていきますから、それに合わせて保証金額も下がっていくタイプの保険です。その分、毎月の支払い金額は数千円と安いのが特徴です。
この記事が詳しいです。
逓減定期保険のメリット・デメリットを元保険外交員が徹底解説!
半年分の生活費程度の貯金があるなら、医療保険は要らないと思います。
月に100万円の治療費がかかっても、自己負担は9万円で済むからです。
それに何度も何度も入院する人は少ないですし。
というわけですので、最低限の逓減型の死亡保険だけ入って、半年分の生活費程度の貯金をしておいて、子供の教育費は積立NISAで複利の力で増やしていくのがいいと僕は思っています。
ただ、投資は元本を割る可能性があるものですから、自分できちんと調べて勉強して納得してから行った方がいいです。
投資信託の本は山のようにありますが、この本は「元本を割る可能性」についてきちんと調べています。
僕が何十冊も読んだ投資信託の本の中で唯一、この本だけが「元本を割る可能性」についてきちんと調べていました。
投資信託について何も分からない人も、ちょっとは知っている人もきっと新しい気づきがあると思います。
リカレント教育についてもそうですが、いつまでも学びを続けていかないと、社会で利用されるだけになってしまいます。
受け身な生き方で世の中に使われるのではなく、積極的に「自分が世の中を活用していく」ためにも本などでの勉強は必須だと思っています。
ぜひ読んでみてください。