僕が子どもの頃(90年代ですね)は、親が安心して子供に見せられるアニメと言ったらジブリ映画でした。
今、思い返しても楽しかったなーという気待ちでいっぱいになります。
5〜10才くらいにトトロを観てわくわくして、10代の初めにラピュタや魔女の宅急便を観て男女の思春期にドキドキして、10代後半にナウシカを見て大人になった気がします。
いまはその役割(親が安心して子どもに見せられるアニメ)をピクサーが担っていますね。
この4つを観たことのない子供達の方が少ないかもしれません。
どれもストーリーがしっかりしていて、映像も音楽も素晴らしいです。
日本の子供向けアニメや特撮モノはたくさんありますが、このピクサー作品には敵わないと個人的には思っています。
特にストーリーですね。
この4つ全てに共通するのですが、主人公や主人公格の登場人物は、みんな初めは性格に問題を抱えています。
トイストーリーのウッディはアンディのお気に入りのおもちゃNo. 1の座を突然やってきたバズに取られてしまい、バズを窓から突き飛ばします。
ファインディングニモのニモのお父さんは、昔、サメに妻と子供達を殺害されてしまったので、唯一生き残ったたった一人の子供であるニモ(障害がありうまく泳げない)をとっても過保護に育てています。
「できると思っているけど、おまえには無理なんだよ!ニモ!」
と、つい怒鳴るシーンには彼のそんな心情がよく現れています。
モンスターズインクのマイクは、突然モンスターワールドに現れた人間の子供をバイ菌扱いし、人間の世界に返してあげようと奮闘するサリーと喧嘩をします。
カーズのマックィーンは天才レーサーである自分に酔いしれているお調子者です。
大事なパートナーであるクルー達の名前を覚えようともせず、すぐにクビにします。
「ガソリン入れるだけのクルーなんてすぐ見つかるからさ!」
なんて言ってしまうほどです。
誰も彼もが問題児ですね。
脇役も癖のあるキャラが多いです。
この問題児達はストーリーが進むにつれ、徐々に気持ちに変化が訪れます。
ウッディはバズと親友になり、ニモのお父さんはニモの自立心を大切にするようになり、マイクは離れ離れになってしまった人間の子供とサリーを引き合せようと、バラバラになったドアを一生懸命直します。
マックィーンは調子ノリまくりの嫌なヤツから、優しさ溢れる素晴らしい人間性を手にします。
その彼の素晴らしい人間性は、カーズ3で美しく結晶化します。
(カーズ1とカーズ3は映画史に残るの大傑作なので強くお勧めします。子供よりも大人の方が心に響きます。未だにカーズ3を見る度に涙が出てきます。)
どのキャラクターも、自身の抱えるトラウマや偏見や偏屈な心を、様々な経験を経て変化させていきます。
まるで本当の人生のように。
そのストーリーのリアリティは、これが「おはなし」だということを忘れさせ、そのキャラクターの心の変化に何の違和感も抱かせません。
個人的には、かつてのジブリを超える程のインパクトを持ったスタジオだと思います。
こんな素晴らしいフィルムメーカーと同じ時代を生きているなんて、とってもラッキーだと思います。
ピクサーの創業者は、かつてディズニーの採用試験に落ち、どうしても3Dのアニメ映画を作りたくてピクサーを創業し、スティーブ・ジョブズに支えられて数々の素晴らしい作品を世に生み出し、その功績がディズニーに認められ、落ちぶれたディズニーアニメーションスタジオを立て直すためにディズニーに呼ばれ、ピクサーとディズニーは合併することになります。
今のディズニーのアニメ映画が盛り返したのは(アナ雪、ズートピア、シュガーラッシュなど)ピクサーの人間がディズニーアニメーションスタジオを指導し、立て直したからなのです。
そんなピクサー自身のストーリーも僕は好きです。
今、もっとも期待できるピクサーの新作は「トイストーリー4」です。
【新作】『トイ・ストーリー4』あらすじなど最新情報【ストーリーはまさかのラブコメ!?】 | ciatr[シアター]
完璧なエンディングを迎えたトイストーリー3を超えられるのか?
とっても楽しみにしています。