今日は夫婦にお勧めの映画について書こうと思います。
「ビフォア サンライズ」「ビフォア サンセット」「ビフォア ミッドナイト」
のBeforeシリーズと言われる三部作の紹介です。
1995年に「恋人までの距離」という映画がありまして、原題は「Before Sunrise(ビフォア サンライズ)」という名前で、今のこの映画のタイトルはもう「Before Sunrise」に変わっちゃってますけど
音は「恋人までの距離」と言う名前の「距離」っていうのが「ディスタンス」って書かれてて、「恋人までのディスタンス」っていう、まー、ものすごいダサい名前ですよね。
この邦題があまりにダサすぎて、長い間この映画見るのを避けてたんですけど、高校生位の時にこの映画を見まして、当時まともな恋愛もしたことない10代だったっていうこともあって、ものすごい心に響いたんですよね。
ストーリーはアメリカに住んでいる20代の青年が恋人に会いにヨーロッパにきたんですけど、その恋人がもう他の他に男ができたんでしょうね。
もう2人はダメになってしまって、傷心のままその男の子がヨーロッパ横断電車みたいなのに乗って傷心旅行を続けてたんですけど、その中である女性に出会うんです。
電車の中でその女性と出会って、ちょっとした会話をして、この映画ずっと会話が続くんですけど。
その会話がいいんですけどね。
その2人の掛け合いというか、2人ともすごい知的な会話をするんですよね。その2人の知的な会話の掛け合いが、当時高校生だった僕にはとってもおしゃれでかっこよく見えて、何回も見直してました。
それで、この話はその男の子と女の子がウィーンの街を夜明けまで歩き続けると言う話で、出会ったばかりの男女が、会話を通して2人の距離を縮めてくって言う、あの恋人になるちょっと手前の男女が織り成す、この会話の駆け引きというか、そういったあたりの楽しみとか、2人が会話を重ねる中で、自分の人生本当にこれでいいのかなと、考え直したりするんですね。
そういったところも良かったりとか、普通旅先で出会った2人なんてもう二度と会わないじゃないですか。
もういい大人なので、また約束をしても気持ちがまた元に戻るとは限らないだろうなっていう悩みだったりとか、その辺もしっかり描かれていて、単純な恋愛映画じゃないんですよね。
普通の恋愛映画とかだったら全然見ないんですけど、唯一見れる恋愛映画だなって思ってます。
そして、その続編のBefore Sunset(ビフォアサンセット)という映画は、前作で別れ別れになってしまった2人がなんと9年ぶりに再会するという話なんです。
このBeforeシリーズ、全部で三部作なんですけど、全て同じ監督、同じ役者が演じていて、9年ごとに作品を撮ってるんです。
こないだ紹介した「6歳の僕が大人になるまで」と言う映画と同じ監督なんですけど、同じような撮影の仕方をしていて、実際に年を重ねた役者が9年後の役を演じているので、すごいリアリティーがあるんですよね。
それから、10代だった僕が第1作目を見て、その後結婚して20代後半から30代の時にまたその映画を観ると、感じることが違うんですよね。
第2作目もそうですね。結婚前と後では感じ方が変わってて。
子供が生まれてから見たのが、第3作目のBefore Midnight(ビフォアミッドナイト)。
このBefore Midnightは中年になってしまった夫婦が、この2人結婚したんですけども、夫婦が中年の危機をいかに乗り越えるかという、ちょっと地味な映画なんですが
夫婦だったら避けては通れない、夫婦の溝というか、夫婦間の問題が見事に描かれていて、こういう問題は誰にも共通する問題だと思うので、そこは子供がいる夫婦だったら共感して観ることができるんじゃないかなと思います。
このBefore Midnightもひたすら会話が続く映画で、まぁその夫婦関係の問題をどうするかと言う明確な答えが出てくるわけではないんですけど
だけど夫婦関係を続けるにあたって、重要なちょっとしたコツみたいなものが、この映画を観てるとなんとなく分かってくるんですよね。
それは何かって言うと、やっぱり会話なんですよね。2人のコミニケーションなんですよね。
夫婦2人がいかにお互いの気持ちを理解しあうか、そのための手段って会話しかないんでしょうね。
2人がお互いに何を考えているかを常に話し合って、気持ちをさらけ出して、お互いを思いやるっていうことが、やっぱり1番大事で
それを円滑に進めるために、夫婦2人でしか通じないちょっとしたユーモアとか、そういった要素があるとそれが潤滑油になると思うんです。
そういったユーモアというのは、おそらく他の夫婦には通じないものだと思うんですよ。
長い時間をかけて家族と言うものを築き上げてきた2人だから、その特別な絆で結ばれた2人にしか通じ合えないユーモアがあって、その2人だけのユーモアが、2人の会話をスムーズにつなげる潤滑油となって、夫婦2人の絆をもっともっと強くするんじゃないかなって思ってます。
僕ら夫婦は、この3部作を何度も観ているんですけど、観るたびに感じることが違うんですよね。
子供ができる前は、第1作目のBefore Sunriseを2人ともすごいドキドキしながら観ていたりとかしたんですけど
子供ができてからはこの映画を観て思うのは、「おまえら2人そんなにカッコいいこと言ってるけど、実際結婚したら違うんだぞ」っていう、そういった余裕があったりとか、若い子を見守るおじさんおばさんみたいな気持ちになったりして。
第2作目のBefore Sunsetも結婚してから観ると、家族ができたせいか思うことが違って
男性の方は結婚していて、子供がいるんですよね。
会いたくて仕方なかった女性と9年振りに再会して、だけど自分は結婚していて子供もいて、だけど明らかに気持ちはその女性に向いていて。
独身の時だったら、いやいやそっちでしょ。9年振りに再会した方でしょ。悩むことないでしょって思ってましたが
今はいやいや家庭どうすんの?息子のことどうするの?国をまたいだ離婚裁判ってどうやってやるんだみたいな、既婚者のリアルな事情を考えたり、だけど自分の気持ちに向き合わないとダメだよねとも思ったり。
第3作目のBefore Midnightは、まさに今の僕ら世代なんですよね。
その映画の主人公はもう2人とも30代半ばから後半くらいですかね。
2人の子供もいて、可愛い双子の女の子なんです。多分歳と7歳位だと思います。
すごい親近感わくんですよね。
夫婦2人の心がちょっと離れてる様子とか、今は僕ら大丈夫になってきたんですけど、育児とか家事とか仕事に追われてると、夫婦2人の心ってだんだんと離れてくんですよね。
この映画では、その2人の心の様子とか、心の離れていく過程とか、その離れた心をどうやってまた元に戻すのか、どうやって夫婦の絆を強くしていくのかというところが、とても丁寧にそしてうまく描かれていて、夫婦関係の修復にとっても参考になるんです。
きっとまた何かあるたびに、僕ら夫婦はこの映画を何度も何度も見返すことになるんだと思います。
結婚した全ての夫婦に観てもらいたい映画です。