昨日の記事でも書いた「子どもが生まれても夫を憎まずにすむ方法」という本の中に、夫婦関係を修復させるためのトレーニングが出てきます。
それについて今日は書こうと思います。
人間は自分の中で築き上げた認識を補強するものは、全て頭の中に無意識でしまい込む性質があるそうです。
夫がまるで役に立たない。
高校生のバイトの方がまだましだ。
妻はいつもガミガミ言ってばかりで、俺のことをまるっきりわかってない。
家にいると文句ばかり言われる。
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こういうのですね。誰にでもこういう経験が少なからずあると思います。
一方で、その認識を阻害するような情報は、人間は全て無視をする性質があります。
これによって相手への正しい理解が進まず、自分の中での間違って歪められた人物像が作り上げられていくことになります。
本来のお互いの正しい姿を認識することができなくなるのです。
そして、その歪められた感情を補強するプロセスというのは少しずつ進んでいきますので、本人が気づかないうちに、相手のことを誤った目で見るようになってしまうのです。
本当はもっと複雑で立体的で、あなたが思ってる以上に魅力的な人間のはずなのに。
お互いの良い所を紙に書いて2人で読み上げることを、この本の中の心理カウンセラーは勧めています。
相手の目を見ながら読み上げ、そしてメモに書かれていたことが、あなたをどんな気持ちにさせたのか話し合います。
そうすることによって、歪められた相手の認識を正しいものへと補正する効果があるようです。
このトレーニングの効果は、数ヶ月か場合によっては数年持続することもあるそうです。
ただ、このトレーニングは男性にとっては若干難しいかもしれません。
なぜなら、女性は思いやりを持って会話をする傾向にあり、一方で男性は報告の会話を好み、個人に関係ない話題を取り上げる傾向にあるからです。
今日の野球の試合の結果どうだったとか、サッカーの試合がどうだったとかそんな話です。
よく男性同士がそんな会話をしていますよね。
ただここで女性が諦めずに男性とこのトレーニングを続けていけば、その男性も変わっていきます。
なぜなら、人間の脳内にはミラーニューロンという特別な神経細胞があって、誰かが何かをやるのを観察しているとき、脳内のミラーニューロンが活性化されて、その観察対象の行動を自分もやっているかのように感じることができるそうです。
つまり、ある行動を観察する事はその行動を実際に行うことによって脳内に作られるのと同じ神経回路を生み出すそうです。
なので、女性が男性に対してこのトレーニングを続け、相手に対して感謝していることと、改善してほしいことを、心を開いて相手に伝え続けていけば、男性のミラーニューロンが活性化されて、その女性と同じことができるようになります。
最後にこの本の中で書かれている、この本の作者とその夫がこのカウンセリングを受けて、お互いの感謝している点や大好きな点を相手に読み上げているシーンをご紹介します。
僕はこのシーンを読んだときに、心を閉じていた2人がこのトレーニングを通じて心を通わせる様子を自分ごとのように感じて涙が出てしまいました。
妻であるジャンシーが夫のトムに感謝していること。
怒鳴られるのが怖くて街で運転する自信がない私を、彼は車でどこにでも連れて行ってくれる
週末、私と娘を公園や植物園に連れて行ってくれる
私が家にいられるように、娘の養育費をを1年間支払ってくれた
運動のために夕方娘を連れ出してくれる
ピアノの教室、スイミングのクラス、それからチェスのトーナメントにも
いつも私を笑わせてくれる
私が大嫌いなコンピューターの設定をしてくれる
これは本当に大助かり
去年の夏、両親の新しい家の外壁を塗ってくれた
暑いのに毎週末
彼は知的な刺激になってくれている
いつも面白い映画を探して見せてくれるし、興味深い本を教えてくれるし、楽しい場所に連れて行ってくれる
映画は時々気の滅入るようなルーマニアのもの、孤児がチャウシェスクの独裁を生き延びるなんてものだったりするけれど、それでもその気持ちには感謝している
毎朝コーヒーを入れてくれる
出張から大急ぎで帰ってきてくれる
娘に辛抱強く読み書きを教えてくれた
自転車の乗り方を教えてくれた
娘が求めるときはいつも彼女とゲームをしてくれる
それは最低でも1日1回はある
娘の頼みは絶対に断らない
それは彼が大嫌いなことだってそう。
お人形を売る店、それから、朝9時のバランスハウスの開店時間に合わせて高速道路近くのバランスハウスに行くこと
そこには彼が大嫌いな要素が詰まってる。やかましいクラブミュージック、蛍光灯、叫び声、吐く子供、そして怪我するリスク
休暇の旅行の計画を何週間もかけて立ててくれる
とても優しくて声を上げる事は決してない
夫であるトムが読み上げた、妻のジャンシーの大好きなところ
君は僕を笑わせてくれる。それは深い心のつながりで、僕たち2人が分かち合う特別なものだ。
そして今、僕ら2人の楽しい関係の中にはシルヴィーが加わっている。
君は素晴らしい母親だ。
今まで知らなかった君の姿を見るのは大好きだ。
そして僕はもっともっと君を好きになる。
君は僕の親友だ。
君以外に一緒に時を過ごしたい人、話をしたい人、朝、一緒に目覚めたい人、静かに目配せしたい人なんていない。
ロマンチックな愛は多くの賞賛を浴びるけど、僕のこの気持ちだって小さなものじゃない。