「世界を変えた50人の女性科学者たち」という本を紹介しようと思います。
映画「ドリーム」は70年代のNASAの女性差別に立ち向かった、黒人女性の活躍を描いた作品でしたが
こういう知られざる女性の活躍って、なかなかおもてに出てこないんですよね。
映画「ドリーム」予告編
知識階級は男性のものみたいな、無言の常識というか、そういうものがなんとなく、世の中にはあって、それが嫌だなーとずっと思っていました。
これは、小学生のなりたい職業ランキングトップ5です。
(第一生命保険のレポート/全国の幼児・小学生が対象)
■男の子
1位:学者・博士
2位:野球選手
3位:サッカー選手
4位:お医者さん
5位:警察官・刑事
■女の子
1位:食べ物屋さん
2位:看護師さん
3位:保育園・幼稚園の先生
4位:お医者さん
5位:学校の先生(習い事の先生)
これを見るとわかるのですが、子どもがなりたいと思う職業って、自分が生活の中で接するものに限定されているんですよね。
男の子がなりたい職業1位に学者ってありますけど、この時期は「仮面ライダー ビルド」(学者の青年が主人公)がすごい流行っていましたから、間違いなくテレビの影響です。
スポーツ選手に憧れるのも、テレビで見ているからでしょう。
食べ物屋さん、医者、先生になりたいと思うのも、一番身近に接しているからでしょう。
つまり、最初から選択肢が限られているのです。
こうなりたい、ああなりたいと、子どもたちが考えるためには、幅広い選択肢と経験が必要です。
自分の狭い世界の中から「なりたい職業」を探しても、結果はどうしてもこうなってしまいます。
特に、女の子のなりたい職業をみると、テレビなどのメディアによる影響というよりも、普段から接している世界の職業が多いですよね。
でも、男の子がスポーツ選手など、メディアで触れている職業がランキングに含まれている。
これって、女の子がなりたいと憧れる仕事が、「メディア」に十分に出てこないということです。
テレビなんて、一般大衆に向けて作りますから、女の子向けになると、プリキュアだとか、ディズニープリンセスだとか、どうしても「かわいい」ものばかりになります。
それはそれで結構ですけど、「それだけ」で本当にいいんですか?
あなたに小さな女の子の子どもがいる場合、本当にそんな、ヒラヒラしたカワイイだけの世界を、子どもに見せ続けたいと思いますか?
その「ヒラヒラしたカワイイだけの世界から得たもの」って、あなたが生きたこの実社会で、なにか役に立ちましたか?
こういうセクハラ問題って、社会の中に、「女性には性的な発言や行為をしても大きな問題にならない」という、謎の常識がまかり通っているのも原因です。
男性にとって、女性とは「性の対象」である。
それ以上のものではない。
という認識を持つ男性が、世の中には多いです。
でも、本当はそうじゃないんです。
この、今の世界を素晴らしいものに変えてくれた女性たちが、世の中にはたくさんいるんです。
ガンの放射線治療や、レントゲンができるようになったのは、女性初のノーベル賞受賞者のマリー・キュリーが、ウラン原子から「放射能」と呼ばれるエネルギーが生み出されていることを発見したからです。
また、細胞が糖をエネルギーとして利用する仕組みの謎を解き明かし、アメリカ人女性として初めてノーベル賞を受賞したゲルティ・コリ。
彼女のおかげで、糖尿病に関する人々の理解が広がりました。
アフリカ系アメリカ女性として、はじめて宇宙飛行士になったメイ・ジェミソン。
彼女の言葉からは多くの気付きをもらえます。
彼女は16才でスタンフォード大学に入学しますが、時代は黒人と女性への差別の真っ最中の1970年代、教授からは徹底的に無視されますが、あきらめずに学業を続け、化学工学の学士号を得ます。
アメリカ合衆国では人種が常に問題になるため、黒人女性が工学を専攻するのはかなり難しかったと語っている。
「私がまるでそこにいないかのように振る舞う教授もいた。私が質問をすると、今まで聞いた中で最も愚かな質問であるかのように扱う教授もいた。
白人男性が同じ質問をすると、「それはとても鋭い観察だ」等と言うこともあった」
そして、医師として平和部隊で働いた際には、こんなエピソードもありました。
ある時、隊員が病気に罹り、別の医師がマラリアと診断を下した。
隊員の病状は進行し、ジェミソンは、これはシエラレオネでは治療できない致死性の髄膜炎の合併症であることに気付いた。
ジェミソンは8万ドルの費用をかけて、ドイツの基地にある医療用の航空機を要求した。
大使は、ジェミソンにそのような命令を出す権限があるのか質問したが、彼女は医療上の決定については誰の承認も必要としないと答えた。
飛行機がジェミソンと患者を乗せてドイツに到着するまでに、彼女は56時間に渡って患者を治療し、患者は一命を取り留めた。
こんな人、かっこよくないですか?
医師として経験を積んだのちに、彼女はNASAでアフリカ系アメリカ人女性として、初めての宇宙飛行士になります。
なぜ、彼女は宇宙飛行士に憧れたかというと、有名なSFドラマ「スター・トレック」に出演しているウフーラというアフリカ系女性に影響されたと語っています。
これって、すごい重要なポイントです。
アフリカ系アメリカ女性として、初めて宇宙飛行士になり、科学教育の拡大の立役者である女性が、「スター・トレック」を見て、宇宙飛行士になりたいと子どもの頃に思っていたのです。
結局、メディアの影響を人は強く受けるのです。
その後、彼女はThe Earth We Shareという科学キャンプを子どもたち対象に行っており、「地球には何人まで住むことができるのか?」などといった、地球規模の問題を解決するための内容も扱っています。
現在、彼女はコーネル大学の教授として働いており、マイノリティー(非白人)の生徒を積極的に受入れ、科学教育の重要性を説き続けています。
この本「世界を変えた50人の女性科学者たち」には、他にももっと素晴らしい功績を残した女性たちが出てきます。
科学の道だけが全てではありませんが、「そういう選択肢もあるんだよ」
ということを、小さな女の子に教えるには最適な本だと思います。
今は、女性の映画監督がどんどんと世の中に出てきている時代でもあります。
女性の活躍の場はどんどん広がっています。
女性映画監督について書いた過去記事です。
世の中は、あなたが思っているより、もっとずっとずっと大きい。
その世の中の広さ、素晴らしさ、多様さ
そういったものを教えてあげるのは、親の役目であり、社会の役目だと思います。
この本が、あなたのお子さんにとって、そしてあなた自身にとって、選択肢を増やすきっかけになると嬉しいです。
そして、男性の女性に対する考え方を変えるきっかけになると、もっと嬉しいです。
夫婦で、親子で、ぜひ読んでください。
「世界を変えた50人の女性科学者たち」特設サイト
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